・日 時 : 2010年11月26日(金)〜28日(日)
・場 所 : 流通科学大学
・テーマ : “Interaction between International Retailers and Local Retailers
in Emerging Markets”-retrospect and prospects for the future-
1980年代後半から、欧米および日本の小売企業の海外進出が活発化した。当初は近隣諸国への進出から始まったが、やがて次第に遠方の諸国への進出に拡大し、さらに大陸を越えてはるかに文化的・心理的距離感のある地域へと広がっていった。そこでは有望な成長市場として、アジア、さらに最近は東欧の新興諸国がその標的対象地域となったことはよく知られている。このような状況は今でも変わらないものの、最近は、もっぱら「進出される市場」であったアジア諸国出身の小売企業が、進出する立場になって海外進出を開始する動きも散見されるに至っている。
これまでSARDワークショップでは、たとえば、「アジアにおける小売競争の実態」、「21世紀の小売パラダイムの変化」、「流通政策と小売国際化」、「小売国際化における革新」など多角的な側面から、こうした国境を超える小売企業行動に焦点を当てて検討を重ねてきた。その過程で明らかになってきたことは、(1)先端的国際小売企業が活発にアジア市場に進出していること、(2)ところが先端的国際小売企業の進出によって引き起こされた現象は、市場間で必ずしも一様ではないこと、(3)その原因は小売国際戦略の市場間差異だけではなく、進出される国の環境に依存しているらしいこと、であった。よく言われる「アジアは多様」であるとの指摘が、ここでも確認されたことになる。
過去のこうした成果を踏まえて、 第8回SARDワークショップでは、「アジア(および新興市場)における国際小売企業と現地小売企業の相互作用―その回顧と展望―」と題して、改めて国際化を巡って発生した様々な事象を整理し、今後を展望してみたい。
具体的には、たとえば以下のような問題を取り上げることが、可能であろう。
上記以外にも、国際小売企業と現地小売企業の関係性について、多面的な関心に基づいて問題に切り込むことが期待される。