・日 時 : 2007年11月23日(金)~25日(日)
・場 所 : 復旦大学(中国上海市)
・テーマ : 流通政策と小売国際化
アジア市場や東欧市場などいわゆる新興国市場における国際小売競争の激化は、ますますその度合いを強めている。従来小売競争を議論する場合、近代的な大規模小売業者と伝統的小売業者間の競争、および大規模小売業者間あるいは伝統的小売業者間の競争に限定して議論されてきた。しかしながら、近年はこれら競争に新たな主体が加わっている。それが外国小売業者である。彼らの進出によって、外国小売業者間競争・外国小売業者と地元小売業者間競争が発生している。さらに海外に進出する外国小売業者には、欧米小売業者だけではなく、これまで進出される側であった地元国の小売業者も含まれるようになりつつある。これによって、競争の場はアジアや東欧のある市場内部にとどまらず、多国市場間に広範に広がりつつある。こうした実態は、小売競争構造をますます複雑化している。
小売競争をこのように複雑化させた大きな原因は、進出される国の流通政策である。多くの場合、国内市場の開放化にともなって近代的欧米小売業者が進出し始め、それが現地での小売競争を激化させたのである。ところが、当初自国の流通近代化のために積極的に外国小売業者の進出を奨励した国も、最近はその方針の変更を余儀なくされる傾向が見られる。はたして、アジア・東欧諸国は、何ゆえに外国小売業者の進出を積極的に受け入れたのであろうか。またそれによって、国際小売競争や現地の流通システムはどのように変化したのであろうか、さらにその変化に直面して国はどのように政策転換しようとしているのだろうか。第5回SARDワークショップでは、国際小売競争と流通政策との関連性に焦点を当て、積極的な議論を展開していきます。
例えば以下のような問題にフォーカスをあてます。