・日 時 : 2006年11月24日(金)~26日(日)
・場 所 : 流通科学大学 (神戸市西区)
・テーマ : アジア市場のニーズを満足させたのは誰か
―進出先市場における国際小売競争の現実―
1990年代以降、欧米の先端的国際小売企業は、東欧市場と並んでアジア市場を最重要市場と位置づけ、積極的に進出してきたことは周知の事実である。世界をリードする国際小売企業が流通革命前夜の未成熟な流通市場を抱えるこれらの国々へ進出するという事態を前にして、おそらく多くの人々は、進出先市場がこれらの外資系小売企業によって支配されるであろうと予測したに違いない。事実予測通りに、進出した国際小売企業が進出先市場のかなりの部分を占有したケースも見られるが、思いのほか苦戦しているケースも多い。
たとえば、カルフールは日本・韓国からの撤退を決定し、中国からはスーパーマーケット業態の撤退を決めた。またテスコは台湾から撤退した。アジア市場以外でもこうしたケースは増加しつつあり、新たな研究分野(撤退研究)として研究者の注目を集めつつある。こうしたケースが失敗であるかどうかについて判断することは容易ではないが、少なくとも進出先の現地企業が予想以上に粘り強く、手ごわいことが明らかになりつつある。
これまで先端的国際小売企業の強さばかりが強調されてきたのに対して、今回のコンファレンスでは、進出先市場における現地企業のしたたかさ・優位性に注目し、両者の間で繰り広げられている競争を分析することを目的としている。
具体的には、たとえば以下のような問題を取り上げることが、可能であろう
上記以外にも多面的なアプローチによって、一般的な予測に反して進出先市場で起こっている数々の現象に切り込む。